2013年10月16日水曜日

読書メモ

「アメリカン・コミックス大全」小野耕世(晶文社)

 スクリーンで大活躍するバットマンやスパイダーマンだけでアメリカン・コミックスではない。
 ブロンディやチャーリー・ブラウンなど永遠の人気者を生んだ新聞連載マンガから、スーパーマンにはじまるスーパーヒーロー・コミックスはもちろん、スピーゲルマンの「マウス」やジェフ・スミスの「ボーン」など、新しい領域をきりひらいたオルタナティヴ・コミックスまで、アメリカのマンガ文化の全体像を描きだす。

小野耕世(おの・こうせい)
 1939年、東京生まれ。毎日ランドセルにアメリカのコミックブックをつめこんで小学校に通った。国際基督教大学卒業。アメリカのみならず、アジアやヨーロッパのコミックスの紹介や翻訳を続ける。また映画評論家、作家でもある。著書『ぼくの映画オモチャ箱』(晶文社)『ドナルド・ダックの世界像』(中公新書)ほか。訳書スピーゲルマン『消えたタワーの影のなかで』(岩波書店)ほか。

目次
序 アメリカン・コミックスとはなにか?
映画監督アラン・レネ、アメリカン・コミックスを語る

Ⅰ スーパーヒーロー・コミックス
スーパーマンの作者の死/ロイス・レーンと結婚した男/<文化装置>としてのバットマン/バットマンと自警団主義/「バットマン ビギンズ」とコウモリの大群/バットマンとミッキー・マウス/クジラの肉を食べるロビン少年/「ブラックホーク」と映画「軍隊をすてた国」/「マーヴル・ファミリー」と「光文社少年編集部」/スパイダーマンに始まる/スタン・リーからの手紙/マーヴル・コミックスの時代……スタン・リー・インタビュー/ベストセラーは、やっぱり「Xメン」……スタン・リー・インタビュー/誰がスパイダーマンを作ったのか?/ウンベルト・エーコとスパイダーマン/「キャプテン・アメリカ」の生みの親、ジャック・カービイに会う/ジャック・カービイの死/ジャック・カービイとその時代/スタン・リーと朝鮮戦争/スタン・リー、マーヴル・コミックスを訴える

Ⅱ 新聞連載マンガ
「ブロンディ」が日本に紹介されたのはいつか?/映画監督サミュエル・フラー、「ブロンディ」の秘密を語る/東京サミットにも来た「ドゥーンズベリー」の作者など/人気の絶頂で連載終了の「キャルヴィンとホップス」……野球嫌いで空想好きの少年について/リン・ジョンストン、「善かれ悪しかれ」を語る/「ピーナッツ」の作者の死とリン・ジョンストン/ヤヌス・カプタスとニューヨーク・タイムズのアート/「リル・アブナー」「ポゴ」……古典コミックスの再生

Ⅲ オルタナティヴ・コミックス
「バットマン」からオルタナティヴへ……デヴィッド・マッツーケーリ、語る/ハービー・ピーカー、「アメリカン・スプレンダー」を語る/「ザップ」第15号、そしてロバート・クラムと仲間たちの現在/<日常生活の冒険>を描くエイドリアン・トミーネ/パロマーの町から世界を見れば……ヘルナンデス兄弟の「ラブ・アンド・ロケッツ」について/完結したジェフ・スミスのファンタジー長編「ボーン」/完成した「マウス」とアート・スピーゲルマンの青春時代/「マッド」の生みの親、ハーヴィ・カーツマンの死/「ドナルド・ダック」の育ての親、カール・パークスの死/グラフィック・ノヴェルとはなにか?/改革者ウィル・アイズナーとは何者だったのか?/9・11とスピーゲルマンの新作「消えたタワーの影のなかで」/ジョー・サッコの「パレスチナ」と、エドワード・W・サイードのコミックス体験/週末を待ちながら……ダニエル・クロウズの「デヴィッド・ボーリング」ほか/9・11とアメリカン・コミックス

あとがき……大全なんておこがましい

0 件のコメント:

コメントを投稿