2013年4月28日日曜日

読書メモ

「あの日からのマンガ」しりあがり寿(ビームコミックス)

2013年4月27日土曜日

2013年4月19日金曜日

2013年4月17日水曜日

読書メモ

「ロシア 語られない戦争 ~チェチェンゲリラ従軍記」常岡浩介

未曾有の経済発展を遂げるロシアの影で、表に出ない「闇の戦争」が行われている。

豊富な天然資源とプーチンという強力な指導者により未曾有の経済発展を遂げたロシア。だがその影で、けっして表に出ることのない「語られない戦争」が、いまでも行われている。紛争地帯の取材を続ける著者が、1年半ものあいだ行動を共にしたチェチェン独立派ゲリラ部隊での体験をもとに、ロシアの闇を暴く。

はじめに

プロローグ
バクダッドにて/チェチェンとは/チェチェン民族とは/第二当事者・日本/終わらぬ戦争/拡大する戦線/チェチェン独立派の正体/「イスラム原理主義」という言葉/アル・カイーダとチェチェン独立派の関係/独立派の来歴/聖戦士たち

第一章 従軍
奇妙な作戦/アブハジアというところ/飢餓行軍/戦闘/聖戦と侵略者/被弾/戦場の拡大/その後のゲラエフ舞台

第二章 脱出
「対テロ戦争」の裏側で/庇護者を失うチェチェン難民/エクソダス/ナンバー2だった男/本当に悲劇的な人々とは/逃避行/国境の町で/誤解/マフィアの裏切り/難民生活のマニュアル/ムジャヘッドの兄弟/オーストリアへ/国境のウェイティングルーム

第三章 諜報
ロシアとチェチェンの情報戦争/モスクワからきた車/噂/だまし合い/ジャーナリストたちの奇妙な体験/チェチェン側からの反撃/情報操作からの自衛/KGBファシズム/不審な死/ロシア・北オセチアの学校占拠事件/錯綜する報告/FSBが犯したミス/秘密警察組織FSB/ある元エージェントの証言/ディスクレジット(信用失墜)作戦/良心の囚人/続く不審死/プーチンの「改革」/プーチンのロシア

第四章 拘束
FSBへの取材/内務省の男/異変/探りあい/ゲリラの襲撃/ザチストカ/拘束16日間/領事条約違反/FSB流の配慮

第五章 ひと、点描
チェチェンで戦った日本人「聖戦士」ハワジ・ミナミ
ロシアからもたらされた情報/センセーショナルな報道になったワケ/伝説の「日本のサムライ」
殉教を切望する聖戦士 アルハズール
悔い改め、聖戦士に/グルジアのミニ・チェチェン/越境作戦開始/諦めないアルハズール
チェチェンの悪漢 ルスキー司令官
「ロシア人」というあだ名の司令官/頼りになる仲間マスウド/コドリ渓谷の森の中で/司令官の地位剥奪/「よう、殺すつもりはなかったんだ」/ルスキーはスパイだったのか?
聖戦士歌手 ティムール・ムツラエフ
ギターを担いで戦う聖戦士/総司令官ゲラエフの片腕/不倶戴天の敵との対峙
映画青年 アブドゥッラ
将来の夢を語る青年/そして夢は消えた/強靭な精神を持つ人たち
ロシア人 アレクサンドル・リトビネンコ
ある少年聖戦士との出会い/第一印象は「ポール・マッカートニーそっくり!?」/脅威に晒されていた亡命生活/「KGBがロシアを裏切ったのだ」/ロシアを体現した男

エピローグ
分裂した独立派/復興するグロズヌィの地下で/プーチン院政の始まりか?/ロシアを富ませるという目的の陰で/断ち切れない負の連鎖。それでもなお……

おわりに

参考資料
地図 ゲラエフ隊アブハジア侵攻作戦ルート
資料写真
付録 リトビネンコ・インタビュー

2013年4月12日金曜日

読書メモ

「おかしな科学 みんながはまる、いい話、コワい話」渋谷研究所X+菊池誠

はじめに
第1章僕らは「おかしな科学」と暮らしている
1 マイナスイオンは「ま~いいな」っす
世にはびこる微妙に科学っぽい、けれどどこかおかしなブームや現象を検証するために誕生した渋谷研究所X。まず手始めに、一世を風靡したマイナスイオンを取り上げてみます。

マイナスイオンは存在しない?/科学的に正しいマイナスイオン?/体にやさしい、は本当か/マイナスイオンのデータは正しいか/滝とイオンとエアコンの関係/マスコミを疑え!/イオンだけに結論は霧の中?/科学の枠を超えた新商品
「どうなのホントのところ」進化し続けるイオンたち

2 水が世界を救うのか?
人間にとって絶対不可欠な水。近頃はいろいろなお水の商売が大流行。でも、病気を治す水とか、健康になる水とか、ホントのところ、効果はあるの?そこんとこどうよ。

地球に優しい水?/都会の水道水は安全なの?/活性化で皆の健康を達成か?/病を治す水はある?/クラスターで快適に暮らしたい/水だって体に悪いことはある/モッタイナイで温暖化防止
「どうなのホントのところ」水道も反撃中

3 スカラー波なんてないですから~!
電磁波は有害化?とちょっとマジメな話のはずが、どんどん怪しい方向に。そういえばスカラー波がどうこうって騒いでた集団、いたよね。世の中ホントに電波系?

日本は電磁波まみれ?/電磁波で病気になるって本当?/あれもこれも電磁波/フォトンベルトがやってくる/あるという証拠はどこに?/ノストラダムスの亡霊、再び/電磁波から身を守れ!
「どうなのホントのところ」見えない電磁波をどう考える

4 このダイエットが面白い!
世の中とってもダイエットばやり、程よい運動と適度なカロリー摂取が一番だとみんなわかってるのに、楽したいのは人の常。ほんとに簡単なダイエットってあるの?

ダイエットで健康に/スポーツの秋にダイエット?/食べなくても生きていける?/出すもの出してみる?/最後はやっぱりモノ頼み?/楽してダイエットなんてあり?/ダイエットはお金儲け?
「どうなのホントのところ」ダイエット法も進化中

第2章こんなところにもニセ科学
5 血液型でガタガタ言うな!
合コンや初対面の人とのあいさつで、ついつい聞いてしまう血液型。「血液型であなたの性格も相性もわかっちゃう」という「血液型別性格判断」が今でも信じられてる理由に悶絶。

なんだか染みてる「血液型」/統計的ってなんなのよ/血液型は先入観か?/集団に現れる特性/確認できる根拠がない/血液型性格判断は差別に繋がる?
「どうなのホントのところ」まだまだ消えない血液型性格判断

6 波動です、はぁどうも
何気に微妙な科学らしきものを検証する渋谷研究所X、今回のお題は波動です。というか、そもそも波動とは何か。現代科学では解明されない謎のエネルギーを俎上に上げてみました。

世にもおかしな波動グッズ/波動で病気が治るって本当?/未知のエネルギー、波動の正体?/波動という名前は紛らわしい/波動測定は何を計っているのか/信じるものは救われるか?
「どうなのホントのところ」波動はやっぱり意味不明

7 「水」知らずじゃなかったの?
水をおいしくしてくれるという不思議な言葉、「お水さん、ありがとう」。そんなのあり?さらによくよく聞いてみると、それだけじゃない。「水が情報を記憶する」?マジですか、それ!?

ものわかりのいい水/水が音楽や言葉を理解する?/なぜ結晶の形が違うのか/水は情報を記憶するか?/怪しい実験で道徳を教える/氷結結晶は検証できるか?/水の活性化と波動の転写
「どうなのホントのところ」「水からの伝言」はファンタジー?

8 オー、脳!?ゲームが脳に悪影響?
おカーサンは「ウチの子は大丈夫なの?」と戸惑い、ゲーマーたちはアホかと突っ込み、マスコミはここぞと取り上げる。実のところゲーム脳ってどうなの?

若者がキレるのは脳のせい?/ゲームと脳の怪しい関係/否定派続出/スポーツだったらいいんです?/新説「筋肉脳の恐怖!」/健全な精神と健全な肉体
「どうなのホントのところ」脳ブームはどこにいく

第3章思わず信じちゃう「いい話」「コワい話」
9 世界を天変地異が襲うのか?
天変地異の到来を心配する人は紀元前から絶えない。それを「取り越し苦労」と一笑に付すことはできないだろう。だけどね、合理的な心配と闇雲な不安はベツモンですぜ。

「杞憂」は本当に杞憂なのか?/「絶対当たる地震予知」の方法論/かくもかぐわしき前兆現象/なくても怖い?フォトンベルト/まだまだある天変地異のウワサ/みんなノストラダムスのせい?
「どうなのホントのところ」予知を信じちゃいけません

10 亀さんの怪しいニュービジネスを考える
悪徳商法や詐欺的ビジネスが満ちあふれている現代。そこに亀さんがニュービジネスを引っ下げてさっそうと参入!?でも、あの、それって悪徳商法ギリギリちゃう?

それは義援金集めじゃない/理想のビジネスモデル/ビジネスなら詐欺じゃないの?/期待を裏切ったら詐欺?/効果が測りにくいのがポイント/ダマす手前の「錯誤を誘う」/納得力を刺激する
「どうなのホントのところ」信じさせるのが怪しいビジネス

11 私とあなたのシンクロニシティ、それホント?
なぞめいた、あり得ないような偶然の一致。その裏には隠された意味がある……「すべての出来事に意味がある」ってのがシンクロニシティなの?それって確かな話?

偶然の一致って意味ありげ/本家シンクロニシティとは?/ニューのつくサイエンス/それは本当に滅多にない偶然か?/「虫の知らせ」はありふれている/百匹目の猿もいるぞ?/シェルドレイクはどうよ
「どうなのホントのところ」世界がもし100匹の猿だったら

12 陰謀論は不滅です!
いつの時代も、事件やスキャンダルの陰にうごめく陰謀がある。歴史を見れば確かだよね。じゃあ、9・11だって、リーマン・ショックだって、みんな誰かが陰で仕組んだことなの?

いま、そこにある陰謀/世界経済を支配するユダヤの闇勢力/フリーメイソンが財団法人!/ロックで洗脳されてますか?/陰謀論は歴史から学ぶ/メディアと権力のむふふな関係/安易な陰謀論は自己責任の放棄
「どうなのホントのところ」陰謀妄想はどこまでも

第4章どうすればいいの?
不安な僕らは権威と二分法に弱い?
白か黒か、どっちかにして/名前や権威は重要、特に怪しい商売には/安全だって言ったじゃない/その自然志向は不自然です/早期教育って不安商売だよね

素敵な話は疑いにくい
本当のことは秘密/陰謀と幻想/ダイソンもゆうこりんも僕らが育てた

それ、押さえなくてもいいですよ
ネットって信じていいの?/伝言ゲーム、そしてあまりにもナイーブな/じゃあ信頼できるメディアって?/押さえなきゃならないものはない/まぎれこむ変なものに敏感になりたい

おわりに

2013年4月11日木曜日

読書メモ


「日本の思想」丸山真男

現代日本の思想が当面する問題は何か。その日本的特質はどこにあり、何に由来するものなのか。日本人の内面生活における思想の入りこみかた、それらの相互関係を構造的な角度から追究していくことによって、新しい時代の思想を創造するために、いかなる方法意識が必要であるかを問う。日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察。

Ⅰ日本の思想
まえがき
日本思想史の包括的な研究がなぜ貧弱なのか/日本における思想的座標軸の欠如/自己認識の意味/いわゆる「伝統」思想と「外来」思想/開国の意味したもの

無構造の「伝統」その(一)思想継起の仕方/無構造の「伝統」その(二)思想受容のパターン/逆説や反語の機能転換/イデオロギー暴露の早熟的登場/無構造の伝統の原型としての固有信仰/思想評価における「道化論」

近代日本の機軸としての「国体」の創出/「国体」おける臣民の無限責任/「国体」の精神内面への滲透性

天皇制における無責任の体系/明治憲法体制における最終的判定論の問題/フィクションとしての制度とその限界の自覚/近代日本における制度と共同体/合理化の下降と共同体的心情の上昇/制度化の進展と「人情」の矛盾

二つの思考様式の対立/実感信仰の発生/理論における無限責任と無責任

Ⅱ近代日本の思想と文学-一つのケース・スタディとして-
まえがき
政治-科学-文学

明治末年における文学と政治という問題の立てかた/文学の世界をおそった「台風」/「社会」の登場による走路の接近/マルクス主義が文学に与えた「衝撃」/文学者に焼付けられたマルクス主義のイメージ/昭和文学史の光栄と悲惨/政治(=科学)の優位から政治(=文学)の優位まで

プロ文学理論における政治的および科学的なトータリズム/政治的と図式的/政治過程におけるエモーションの動員/政治における「決断」の契機/思考法としてのトータリズムと官僚制合理主義/政治の全体像と日常政治との完全対応関係/方法的トータリズムの典型/政治(=科学)像の崩壊-転向の始点と終点/日本の近代文学における国家と個人/「台風」の逆転と作家の対応の諸形態/旧プロ文学者における文学の内面化と個体化/対立物(文学主義)への移行契機

文化の危機への国際的な対応/各文化領域における「自律性」の模索/政治・科学・文学における同盟と対抗の関係・科学主義の盲点/トータリズムの遺産の否定的継承/「意匠」剥離の後に来るもの

Ⅲ思想のあり方について
人間はイメージを頼りにして物事を判断する/イメージが作り出す新しい現実/新しい形の自己疎外/ササラ型とタコツボ型/近代日本の学問の受け入れかた/共通の基盤がない論争/近代的組織体のタコツボ化/組織における隠語の発生と偏見の沈殿/国内的鎖国と国際的開国/被害者意識の氾濫/戦後マス・コミュニケーションの役割/組織の力という通念の盲点/階級別にたたない組織化の意味/多元的なイメージを合成する思考法の必要

Ⅳ「である」ことと「する」こと
「権利の上にねむる者」/近代社会における制度の考え方/徳川時代を例にとると/「である」社会と「である」思想/「する」組織の社会的台頭/業績本位という意味/経済の世界では/制度の建て前だけからの判断/理想状態の神聖化/政治行動についての考え方/市民生活と政治/日本の急激な「近代化」/「する」価値と「である」価値との倒錯/学問や芸術における価値の意味/価値倒錯を再転倒するために

あとがき

2013年4月8日月曜日

映画メモ

「ディア・ドクター」
西川美和監督・笑福亭鶴瓶主演
(2009年)